当店は雑司が谷の町で、生菓子屋「赤丸文化堂」時代を含め、およそ95年にわたり商売を続けさせていただいています。
 決してお洒落な店構えとはいえません。流行りの目新しいパンでもありません。個性的で独創的なパンでもありません。
 しかし、長年この雑司が谷で暮らし続けているお馴染みのお客様はもちろん、新しくこの町で暮らし始めたお客様からも「自分の町のパン」だと自慢していただけるような、そんなパン屋でありたいと願っています。
 
  赤丸ベーカリー 四代目店主
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イラスト 鶴丸のどか(雑司が谷在住)
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アカマルベーカリー
あれこれと... vol.1


店名「赤丸ベーカリー」の由来


 創業当時は「赤丸文化堂」という和菓子屋でした 。昭和二十五年(1950年)からパンの製造を開始し、 昭和三十三年に「有限会社赤丸ベーカリー」となりました。
 「赤丸」という名のいわれは、有名なラーメンでも、世界的人気アニメ「ナルト」に出てくる犬でも、妖怪ウォッチに出てくる猫でもありません。 ましてや「エリダヌス座シータ星Acamar」アラビア語で「川の果て」を意味する星でもありません。
  実は、苗字なのです。
 四十三年前に亡くなった祖父からは、富山県に赤丸山という山があるということだけは聞いておりましたが・・・
 そして歳月が流れ、インターネットの時代となりまして、いろいろと調べてみますと、確かに富山県福岡町に「赤丸」という地名がありました。
 さらには「赤丸城」という山城や「赤丸浅井神社」という由緒ある神社があることがわかりました。
 資料によると、奈良時代の伝説の修験道者・泰澄大師が「祭器に日の丸をかたどった赤い丸を配し、国の繁栄を祈り、この土地を赤丸村と名付けた」とあります。
 おそらくこれが苗字のルーツだと思われます。
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回からは、当店のパンや、パン作りの考え方などをご紹介します
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池袋西武百貨店 書籍館1階
「神保町いちのいちノおふくわけ」をご利用ください
当店のパンやプリン、シベリアをお取り扱いいただいています。
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西武池袋本店三省堂書店内
《神保町いちのいちノおふくわけ》
〒171-0022
東京都豊島区南池袋1-28-1
西武池袋本店内書籍館1階
TEL.03(6894)1202
営業時間10:00~22:00
(ラストオーダー21:30))
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歴史的発見!?
明治二十八年の菓子仕入鑑札
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 父の遺品の整理中に、仏壇の奥から古い木札をみつけました。表面には「東京府」の焼印が押され、裏には達筆な文字で、「第一一四号 菓子仕入鑑札 東京市麹町区飯田町六丁目・・・小売人 赤丸市太郎」とあります。どうやら、当時の営業許可証のようです。
 これまで、大正十二年の関東大震災の後に、ここ雑司が谷で創業と聞かされていましたので、家族一同びっくりしてしまいました。

 木札に書かれた住所は、現在の千代田飯田橋四丁目のあたりだそうですが、震災を受けて雑司が谷へ移ったようです。

 考えてみれば、関東大震災の直後に新たに菓子屋を始めるというのも不思議な感じがしていましたので、納得と言えば納得です。
 それにしても、明治二十八年というと、今から百二十二年前になります。当時の東京はどのような町だったのでしょうか?
 そして、曾祖父・市太郎はどんな思いでこの商売をはじめたのでしょう。
 今にして思えば、もっとたくさん祖父・文二郎から話しを聞いておくべきでした。
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 有限会社赤丸ベーカリー
 〒171-0032 豊島区雑司が谷1-7-1
 03-3971ー6624 木曜定休